僕のピアノ事情
嗚呼、音楽。
僕の命の糧です。
個人的に、タバコ、お酒、麻薬等の使用を信じないので、
ストレスが溜まりきった時は音楽

今はこんなに、「音楽無しじゃ生きて行けない」なんて
大口叩いていますが、実は昔は興味無し。
今も覚えてる、小学三年の頃、こう思ったの、
『こんな音符なんて習ってもしょうがない。』
だから、楽譜は読めませんでした

でも中学2年でピアノに興味が沸き『弾きたい』と思う。
ピアノが出来る友達に「どうしたら良い?」と聞きに行くと、
「これを弾き始めろ。」とモーツァルトのトルコ行進曲を渡される。
『!?』
もちろん読めない、弾けない、分からない

友達に「これなに?」などとシャープ、バス記号、休符などの意味を
聞きに行く日々を放課後繰り返しました。
でもこの僕の友達、閣下君、厳しいし言葉が少ない。
「自分で調べろ」とか「それはどうでも良い」など。
なので楽譜はこんな様。(トルコ行進曲では無く月光ですが。)

ドレミを譜って、シャープ、フラットを色別。
もちろん家にピアノが有った訳では無いので学校で、
しかも一人で孤独に練習。
帰りは暗いので『花子さん出たらどうしよう!?』と
恐れながら下校。
そんな日々を送り、高校で交換留学し、帰って来て大学受験の時期。
これ又無謀に音大受験する事に。
もちろんピアノは無理なので声楽で。
でもピアノも4次選考で弾かなきゃならないので
この時初めてレッスンを一年受けました。
<早送り>
人生山あり谷あり、流されてスイスへ。
スティーブンのピアノをアメリカから持って来ました。
僕の音楽室、兼ゲスト室。

このピアノ、古いし手入れ随分されてなかったので調子が悪い。
でも、この前調律して貰ったら"聞き違える"程綺麗な音に。
ここに引っ越してから一週間後、同じ階のお隣さん二件にご挨拶へ。
向かい側の人は凄く優しいけど、隣戸が問題。
こっちが、「何か有ったら遠慮無しに言って下さい」と言うと、
「あ、そう、ピアノ、聞いた時に『アチャー』って思ったのよ。」と。
僕の顔が一気に強張るのが音に成って聞こえそうだった瞬間。
「少しなら良いけど余り長時間連続で弾かないでね。」と追加。
般若が作り笑いしてる様に見えたでしょう、この時の僕の顔。
家に入ってから、「あの女、たち悪い」と一言スティーブンへ。
「聞いた、あの言い方? 嫌味たらたら。」カッカする僕。
「気にしなくてから弾きなよ」と慰めるスティーブン。
でも、やっぱり心の奥底は日本人、気に成る。
鍵盤に触るのさえ恐怖症に成った。
慣れない環境で、しかも毎日外では嫌な思いばっかりしてるのに、
家で唯一の逃げ場を取られた僕。 精神崩壊寸前。
少しは弾くけど楽しめなくて直ぐ止める。
ま、でも、その内少しずつその時の記憶も薄れて恐怖症克服。
今では(常に弱音ペダルを踏み)普通に弾いています。
でも、ある日エレベーターへ乗ると、真下の隣人さんと遭遇。
「あなた、上へ引っ越して来た方よね?」
とっさに、『又来たか!!!!』心拍数急上昇!!
「はい、そうです。」と答えると。
「ピアノ、とっても素敵で聞こえるの楽しみにしているのよ。」と。
んんん?? そう来たか、これは嫌味か?!
「本当ですか、聞こえるんですか?」と聞くと、
「えぇ、聞こえるわ。あなたの弾くの全部好きよ。」と。
まだ気を許せない。これは巧妙な罠か?!
「迷惑に成らないと良いですけど。」と最後に付け加えると、
「全く。聴くの嬉しいから。」と。
本当っぽい。 ここはスイス人、日本人みたいにここまで遠回しに
文句は言わないだろう。 きっと。
嬉しいけど今度はこれはこれで妙なプレッシャー。。。
下にも聞こえるならもっと上手く弾かなきゃ!!
でも練習は繰返しで成り立つもの。 練習し難いな

でも聞かれてると思うと自然に背筋も伸びます

この事を書こうと思ったのは今日丁度見たこの二つの楽譜の違いがきっかけ。

左が数年前に手に入れた『悲愴』。
右は初めて間もない頃の『月光』の楽譜。
最初は楽譜も読めなかった僕が今は初見で曲を弾ける。
我ながらにちょっと感心。
初見で有る程度弾けてしまうので最近の問題は『直ぐ飽きる』事。
これからはじっくり時間をかけて曲を完成させて行く努力をしたい。
継続は力なり。 本当ですね

応援のクリック、御願いします



by yas-unprescribed
| 2010-03-27 09:58
| 住/Home

気まま我儘に生きるYasの人生を、正直率直に、そして飾らなく語るブログです。 This is a blog where Yas talks about his life in a foreign land seen through his bizarre and frivolous, yet sincere eyes
by Yas-Unprescribed
最新のトラックバック
検索
最新の記事
寒中の夏の思い出:スイスから.. |
at 2014-02-14 05:27 |
Returning to V.. |
at 2014-02-02 20:34 |
怪物的なカバン:犬と蛇 |
at 2013-10-02 06:15 |
Romantic Count.. |
at 2013-09-29 01:47 |
日本の次はスティーブンの実家 |
at 2013-09-28 18:08 |
Am I in Kyoto .. |
at 2013-09-28 05:47 |
今更ですが。。。目に毒な日本.. |
at 2013-09-26 02:31 |
Afterwork Dinn.. |
at 2013-05-06 07:30 |
両親と昼懐石 |
at 2013-05-01 07:12 |
Appreciating A.. |
at 2013-04-29 06:11 |
以前の記事
2014年 02月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
タグ
Geneva(169)
Restaurant(137)
Shopping(121)
Sweets(60)
Paris(54)
Japan(54)
America(34)
Switzerland(29)
Germany(28)
Italy(22)
Restaurant(137)
Shopping(121)
Sweets(60)
Paris(54)
Japan(54)
America(34)
Switzerland(29)
Germany(28)
Italy(22)
ブログパーツ
- このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。Copyright © Life Without A Prescription - 処方箋無しの人生 All Rights Reserved