明治神宮で抱える想い

家でジッとしていられなかったので、
外出する事に決めた。　

行き場所に困ったけど、原宿に用事があったので、
その前に明治神宮へ行って来た。

家から、ジクジクジクジクジクジクジクジクジク考えてて、
着いた頃には底を着いてた。

それでも、

この大きな鳥居を見ると、畏怖の念に打たれる。

下をくぐると、別の世界に踏み入れた様な感覚になるけど、
風に乗って原宿駅の構内アナウンスが聞こえる。

普段は無意味に早歩きな僕も、この時は意識的にゆっくりと。
そのうち、都会の騒音は消え去って。

静けさ。

海外生活が長いと、余計日本らしい物や建物に惹かれる。

日本の「美しさ」が無理なく心に落ち着く感じで。


ずっと、神社に行ってなかったから、
参拝方法も忘れちゃった。

でも、自分なりに一生懸命祈った。
無駄な事も、個人的な事も、もっと大きな事も。

ぎこちなくお辞儀した後には、絵馬が懐かしくて近寄った。

人の願いを読むのは、聞き耳を立てて噂を聞く様なもの。
「いけない」って分かってながら、好奇心に狩られる。
色んな言葉で書かれてた。　
何となく世界が身近に感じた。

祈っても、やっぱり気持ちは簡単に晴れない。
分かってたけど。
「一層、泣けたら楽に成るのに」って思ったけど、
それも出来ない。

迷いたく成って、歩き回った。　
広い、明治神宮。

１時間以上歩いた。　でも、やっぱり気持ちは重い。

帰り道に、あるおじさんを見かけた。
そして、カラス。
おじさんが食べてたお弁当をカラスに上げてたみたいだ。

紫色の羽をしたカラス。
可愛い顔をしてとっても綺麗だと思った。
かつて「神の使い」と呼ばれてた鳥。
神社で見ると風格が違う気がした。

このおじさんとカラスの仲良い様を見たら、
自然と笑顔が溢れた。

そして又、鳥居をくぐって現実社会へ。

でも、今度は想いが違う。
もう、想いは"重い"訳ではない。
（うふ、オヤジジャグ。）


顔に妙な笑みを浮かべながら颯爽と表参道へ向かう僕は、
周りの人には異様な姿に写っただろう。